「コピーを取ってもらえますか」の英語は help me to… ではない:多くの学習者が名詞をそのまま動詞にしてしまうミス
日本語もそうですが、母語の感覚はとても不思議なものです。「コピー」や「決定」のような言葉は「する」を付けるだけでそのまま動詞として使えますし、時には名詞をそのまま動詞のように使うこともあります。そのため、多くの英語学習者は無意識に母語の文法や発想をそのまま英語に当てはめてしまい、 Help me copy. や Can you money me? といった不自然な英文を作ってしまいがちです。
文法的には一見大きな間違いがないように見え、意味もなんとなく伝わりそうですが、ネイティブスピーカーが聞くと一瞬首を傾げてしまいます。英語では、多くの名詞をそのまま動詞として使うことはできません。make、lend、improve などの「動作を表す動詞(動詞のコロケーション)」と一緒に使う必要があります。
この記事では、「✗ 不自然な表現 → ✓ 自然な表現」の対比形式を使って、一歩ずつ修正していきます。どれも多くの学習者がよく間違える表現ばかりですので、読んだらすぐに自然な言い回しに切り替えることができます。
なぜ母語の感覚のままではいけないのか
まず、一つの重要な感覚を掴みましょう。母語によっては品詞の境界が柔軟な場合がありますが、英語の品詞は比較的厳格に決まっています。
例えば「決定」という言葉は、名詞的にも動詞的にも使えます。しかし、英語の decision は基本的に名詞であり、「決定する」という動作を表すには、動詞の手助けが必要です。その際、最もよく使われるのが make です。
言い換えれば、英語の名詞を動詞として使いたくなったときは、一度立ち止まって自分に問いかけてみてください。「この動作は、英語ではどの動詞を使って表現するのだろう?」 と。通常、その答えは make、do、take、have、give、lend といった基本動詞のいずれかになります。
「コピーする」:make a copy を使う
これはオフィスで非常に頻繁に使われるフレーズです。「コピーを手伝って/コピーして」と言うとき、多くの人が直訳してしまいます。
Help me copy.✗(「書き写すのを手伝って」のように聞こえ、不完全な文になります)Please Xerox this for me.✗(Xerox はコピー機のブランド名です。年配の人がたまに使うことはありますが、現代では不自然です)
自然な言い方は、「コピーする」を「make + a copy」に分解することです。
- Could you make a copy of this for me? ✓(これを1部コピーしてもらえますか?)
- I need to make two copies. ✓(2部コピーする必要があります。)
ついでによくある「help me to」の間違いも修正しておきましょう。「手伝う」の後に動詞を続ける場合、英語では help me make a copy(help + 原形動詞。to を挟まない方がより口語的)と言うか、直接丁寧にお願いする Could you…? を使います。
Can you help me to copy?✗- Can you help me make a copy? ✓(コピーするのを手伝ってもらえますか?)
進步(上達する):自然な組み合わせは improve
「英語を上達させたい」は超典型的なフレーズです。問題は単語の組み合わせ(コロケーション)にあります。ネイティブが「英語を良くする」という意味を表すとき、よく使う動詞は improve です。
I want to progress my English.✗- I want to improve my English. ✓(英語を上達させたいです。)
- I want to make progress in English. ✓(英語で上達したい/進歩したいです。)
コツを一つ覚えておきましょう。improve の後ろには直接対象を置く(improve my English)。progress を使いたい場合は名詞として使い、前に make、後ろに in を置く(make progress in English)。どちらのパターンも正しいので、使いやすい方を選びましょう。
決定(決める):名詞なら make、動詞なら decide
decision は名詞で、decide が動詞です。この2つは混同しやすいポイントです。
I will decision tomorrow.✗- I will make a decision tomorrow. ✓(明日決定します。)
- I will decide tomorrow. ✓(明日決めます。)
どちらも自然です。名詞の decision を使いたいなら前に make を補い、直接動詞として使いたいなら decide を使います。同じロジックは他の単語にも応用できます。
- make a choice(選択する)/ choose(選ぶ)
- make a plan(計画を立てる)/ plan(計画する)
- make a mistake(間違える)—— これは make を使うしかなく、対応する単一の動詞はありません。
錢(お金を貸す):lend me money を使う
「先にお金を払っておいて/貸しておいて」を英語に翻訳しようとすると、最も間違いが発生しやすくなります。money は純粋な名詞であり、動詞として使うことはできません。
Can you money me first?✗- Can you lend me some money first? ✓(最初にお金を少し貸してもらえますか?)
ここで、混同しやすい2つの「借りる・貸す」を整理しておきましょう。
- lend は「貸す(貸し出す)」——お金が自分から離れていきます。Can you lend me some money?(お金を貸してくれますか?)
- borrow は「借りる(借り入れる)」——お金が自分の手元に入ってきます。Can I borrow some money?(お金を借りてもいいですか?)
覚え方:lend は外へ(l を leave=離れる と覚える)、borrow は内へ。方向を間違えると、意味が逆になってしまいます。
パッと見てわかる対比表
ここまでの内容を一つのコツにまとめましょう。「名詞を動詞として使いたくなったら、まず相性の良い動作動詞を探す。」
Xerox this✗ → make a copy of this ✓progress my English✗ → improve my English ✓ / make progress in English ✓decision tomorrow✗ → make a decision ✓ / decide ✓money me✗ → lend me money ✓help me to copy✗ → help me make a copy ✓
次回、名詞を無理やり動詞に当てはめそうになったら、心の中でこう問いかけてみてください。「make / do / take / lend のどれと一緒に使われているだろう?」そうすれば、8割方は正しい表現に辿り着けます。
Loopy での練習方法
このような間違いの根本的な原因は、触れてきた自然な英語表現の量がまだ足りず、頭の中で母語の論理を使って補おうとしてしまうことにあります。最も効果的な練習法は、正確なフレーズを繰り返し聞き、繰り返し口に出すことです。make a copy や lend me money のような正しい組み合わせを、反射的に使えるレベルまで身につけましょう。
Loopy では、これらの高頻度なコロケーションを実際の会話フレーズの中に組み込んでいます。リスニング・スピーキング・シャドーイングモードで一文ずつ声に出して練習することで、目で覚えるよりもはるかに強固に口が覚えていきます。自信のない単語があれば、内蔵辞書をタップするだけで、それが名詞なのか動詞なのか、どの動詞と組み合わせるべきかをすぐに確認できます。学んだフレーズは**忘却曲線に基づいた復習システムが学習スケジュールを自動調整し、忘れそうになった絶妙なタイミングで再び提示してくれます。自分が現在 A1 から B1 のどのレベルにいるのか、どのレベル別コース**から始めるべきかを知りたい方は、まずはレベルチェックテストを受けてみるのが一番の近道です。